sketch #002

 


AIが文章も絵も生成する世界がきた。

その2023年にあって、タブレットで写真をなぞって絵を描く私の遊びは、相変わらず続いている。上手くなろうという意気込みもなく、むしろぬり絵に取り組むのに近い気持ちなので、描くものもなんだってよい。少し飽きてはまた描いてを繰り返して、今にいたる。

紙に描く方法との大きな差は、レイヤーを分けて描けるということだろう。
レイヤーは層という意味のとおり、何枚か仮想的に分けたシートが重なり合っている。
このポシェットの画像で説明するなら、ペンブラシを使って描いた黒い線だけの画像、水彩ブラシで色を塗った画像、ペンブラシで文字だけを書いた画像、そして元になっている写真画像、4枚のシートで構成されている。
目のマークをクリックして、写真画像のシートだけを仮想的に「目を閉じた状態」にすると、残りの3枚が重なってこのような1枚の絵に見えるのだ。

自分も、このレイヤー(階層)という仕組みの中にいる。
見たいものだけを見ている。それ以外は「目を閉じた状態」にして。

”AI、通りがかりの路地で見た、洗濯物干しに並んだポシェットをゴッホ風に描いて”
あの日偶然にその光景を見ていなければ、そもそもそんな指示は思いつかない。
ただそれもあるレイヤーの「目を閉じた状態」の私が見た、だけの光景かとも思う。

目のマークをクリック。
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